日本財団 図書館


 

第7章 影響評価

 

7.1 都市交通への影響

 

ケープタウン市の市街地内交通は自動車中心の交通に依存しているがその大部分は自家用自動車である。現在は自動車交通による大きな道路混雑は見られないが、港湾地域やメトロ貨物跡地等の再開発は使い将来の交通混雑につながる危険性を孕んでいる。混雑に対応するため道路を再整備することは一見有効な手段に見えるが、更なる自動車交通を助長し排気ガス汚染に至る他道路の為や駐車の為の新たなスペースが求められる事になり、これが都市機能発展を妨げことになりかねない。これらのことから市街地においては、輸送効率の高い公共交通機関の導入が求められる。
LRTを他の移動手段であるバス・自家用自動車と比較してみると、その輸送力はバスの3台分、自家用自動車の実に91台分に相当する。
LRTの利用の促進は、自動車交通の増加抑制に繋がり、駐車場整備や道路整備に向けられる投資の削減ができるばかりでなく、エネルギー効率や大気汚染公害防止の為に有効である。

 

7.2 都市開発計画への影響

 

都市開発計画の中で市街地に計画される施設はホテル、レストラン、ショッピングセンター、劇場など、いずれも人の集散を伴うものが多い。規模が大きくなる程施設に見合う交通手段が必要となってくる。マイカーの利用は路面混雑と駐車場の問題がある。都市開発計画の中に大量または中量の公共交通システムを組み入れなくてば開発計画の成功は望めないことである。例えば競技場とそれに見合う駐車場を新設しようとすると用地の関係からどうしても郊外にということになり、マイカーがなければ都市生活が成り立たないという傾向を増長することになる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION